楽器の音がうるさい

近年増加する騒音に関するトラブル

私達は普段生活をしていく上でどうしても生活音を発生させてしまうことになります。
音の聞こえ方というのは実はかなり心理的な状況が大きく関係しており、一度気になるようになるとそのことばかりを気にしてしまうということもよくあります。

わかりやすい例としては、自分の子供や親しい人が弾く楽器は多少下手でも微笑ましく感じられるのに対し、全く他人に自分の近くでうまくない音楽を弾き続けているとなると段々とイライラが募っていくことになるでしょう。

「たかが音くらいで」と思われる人もいるかもしれませんが、住環境における音の問題は立派な「騒音問題」です。
一般の人が住宅として使用している場所ではきちんと振動や騒音に関する一定の基準が設けられており、それ以上のものが日常的に起こっている場合公権力によりその停止を求めることができます。

音に関する住民トラブルは隣同士の人間関係が深く関わっていることも珍しくなく、時に殺傷事件にまで発展してしまうこともあるので注意が必要です。

近隣トラブルとして最も報告事例が多いのは「自動車・バイクの空ぶかし」で次いで「犬などのペットの鳴き声」「人の会話」「上下の階の足音」となっています。
数はそれほど多くありませんが現在もよくトラブルのもとになる事例としてピアノなどの楽器音があります。

集合住宅における楽器音は基本的に入居時に禁止とされていることが多いので、もし近所の楽器音がうるさいと感じたら契約書を確認して禁止されているかどうかを見てその上で対処方法をとっていくようにしましょう。

まずは大家さんを通じて停止を求める

集合住宅でうるさい音がするとつい直接文句の一つも言いたくなるところですが、相手がもしそれで気分を損ねてしまいムキになって余計に音を立てるようになることも考えられます。

なのでまず最初に大家さんに楽器音のことを相談し、生活に支障のある朝晩の時間帯は弾かないようにお願いをしてもらうようにします。

または音が周囲に大きく漏れていることを伝え、床や壁などに防音材をつけてもらうようにお願いするというのも方法です。
もしそれでも改善が見られないというときには、大家さんに相談の上内容証明郵便で調停を申し立てることになります。

騒音問題については過去にかなり多くの判例がありますので、音の程度が生活音を著しく上回るものであるということを証明できれば必要な措置を公権力によりとっていくことができます。
騒音の程度によっては大家さんに明け渡しをしてもらうことも可能です。

大家さんが非協力的である場合

調停や明け渡しは基本的に本人ではなく大家さんや管理会社によってなされるのが理想的です。
ですが中には大家さんが対応を面倒がり放置する例もないわけではありません。

そうした場合には自力で騒音を出す過程および大家さんに対して調停を申し入れることになります。
自力で訴訟を起こす場合には明け渡しをかけることができませんので、損害賠償の請求という形になります。

過去の判例では住民から騒音の訴えがあったにもかかわらず放置をした大家さんに対し、一般向けの住居使用の建物での賃貸借契約において、円満な使用収益ができる状態で引き渡さなかったということにより責任を認めた例があります。

ただこうした調停の場合金銭を支払って終わりにするというよりも、むしろそのくらい迷惑をしているのだと相手に本気でわからせることが一番の目的となります。

ですので通常は調停で話し合いをする中で騒音行為をやめるということで双方の合意を得たところで終わりになるのが一般的です。

もし争いがこじれて裁判となった場合には、騒音の大きさに加え相手側の加害意志の有無、妨害予防をしたかどうか、被害がどのくらいの期間を通じて起こったかといったことを総合的に調査して損害賠償の額を決めます。